
パラマウントのホラー映画『スマイル』(原題:Smile)シリーズにつながる新作コミック『Smile: For the Camera』が、2026年2月18日に出版社IDWのホラー系レーベル「Dark」から発売される。米Entertainment Weeklyが発表した。
脚本と原作を担当するのはハンナ・ローズ・メイ。物語は2005年のモデル業界を舞台に、シリーズに登場する“エンティティ”が関わる一連の出来事を描く。

作品の主人公は、ファッションウィークのためにニューヨークへ向かった5人の若手モデルたち。彼女たちは仕事を共にしながら交流を深めていくが、そのうち1人がエンティティによる症状を見せ始め、周囲の状況にも異常が確認される。メイは、モデルとして働いていた10年以上の経験を基に企画を作っており、IDWが新レーベルを立ち上げたタイミングでこの案を提出した。


編集者のヘザー・アントスは、作品の時代設定である2005年の要素として、ローライズジーンズ、細い眉、当時主流だったMySpace(マイスペース)の存在などを具体的に盛り込んでいると説明する。これらの要素は当時のモデル業界の実情と、登場人物が直面する状況を示す材料として使用されている。メイは、SNSが一般化する前の時期に所属事務所からの評価を得るため努力を続けていた若手モデルたちの働き方に着目している。


映画版の監督パーカー・フィンも制作に参加し、作中の“エンティティ”の扱い方や表現方法について指示を出している。アントスは、コミックでは映像編集のような動きを使えないため、ページをめくる瞬間を使って読者に情報を与える方法を重視したと述べている。

作画はミリアナ・プリアが担当し、マーティン・シモンズ、ベッキー・クルーナン、ステイシー・リー、スカイラー・パトリッジ、ケヴィン・ワダがバリアントカバーを制作している。メイは2000年代前半の雑誌文化やテレビ番組で示されていたモデル像を参考にし、当時の業界で求められていた“表情の作り方”や“仕事で使われる写真の役割”を作品内で示している。




モデル業界では、住居費、移動費、ビザの手続き費用などを事務所が立て替える場合が多い。若手モデルが負債を抱えやすい構造で、継続して仕事を受ける必要があるという実態がある。メイは、当時の業界で働くモデルが抱えていた経済的負担や、仕事を途中で辞めづらい状況について取材や自身の経験を基に描いている。
『スマイル』シリーズの前日譚となるコミック『Smile: For the Camera』は2026年2月18日に発売予定。
