『パラサイト 半地下の家族』が21世紀最高の映画に。NYタイムズ選出、8位に『ゲット・アウト』

米紙ニューヨーク・タイムズが発表した「21世紀の優秀映画100選」で、ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』(2019年)が1位に選出された。今回のランキングは、映画監督や俳優、撮影監督など500人以上の映画関係者への調査に基づくもので、2000年以降にアメリカで公開された作品を対象としている。

『パラサイト』は、韓国の貧困家庭と裕福な一家の関係を描いた社会風刺劇で、アカデミー賞では外国語作品として史上初の作品賞を受賞。今回のランキングでも、言語や国境を超えて支持を集めたことが裏付けられた。同作の評価は、これまでハリウッド中心だった映画史における価値観の転換を象徴するものとみられる。

また、8位にはジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』(2017年)がランクイン。人種差別をスリラーの形式で描いた同作は、ホラー映画の枠を超えて社会的議論を呼んだ。アカデミー賞では脚本賞を受賞し、新たな形の社会派映画として注目された。

両作品とも、ジャンルを超えたアプローチで現代社会に鋭く切り込んだ点が共通しており、今回の選出は、21世紀における映画の社会的意義と表現の多様性を示す結果となった。今後、国際色やテーマ性に富んだ作品が主流となることを予感させるランキングとなっている。

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