『悪魔のいけにえ』リブート企画が進行中 ─ A24やピールら複数の制作陣が争奪戦に

1974年に公開されたホラー映画『悪魔のいけにえ(原題: The Texas Chainsaw Massacre)』のリブート企画が現在進行中であることが、米国メディアの報道により明らかとなった。権利を管理するExurbia Filmsが、新たな映像展開に向けた提案の受付を開始しており、少なくとも5〜8組のプロデューサー陣が正式な獲得交渉に乗り出しているという。

今回のリブート構想には、映画・ドラマの両軸からのアプローチが含まれており、複数の形式での展開が視野に入っている。候補として名前が挙がっているのは、『イエローストーン』の原案者であるテイラー・シェリダン、『ゲット・アウト』や『ノープ』を手がけたジョーダン・ピール、さらに『Longlegs』の監督オズグッド・パーキンスら。中でもパーキンスは、『ストレンジャーズ』の脚本家ブライアン・バーティノと共同で脚本案を提出しており、映画製作会社NEONと組んでプロジェクトを進めているとされる。

一方、A24もテレビドラマ化の方向で動いていると報じられており、俳優でありプロデューサーでもあるグレン・パウエルと共に、新たなシリーズ展開を模索している。A24はすでに『13日の金曜日』の前日譚ドラマ『Crystal Lake』を手がけており、同様の形式で『悪魔のいけにえ』の新解釈版を製作する計画があるという。また、Netflix向けに別企画としての長編映画案も進行中とされており、配信プラットフォームを巻き込んだ複数ラインの競争が始まっている。

この企画は、2025年6月9日から本格的な提案受付が開始されており、各制作陣がそれぞれ独自の方向性を提示している。現在のところ正式な契約成立には至っていないが、関係者によれば、いずれのプロジェクトもシリーズの再定義を視野に入れており、「ただのリメイクにはとどまらない形になる可能性がある」としている。

『悪魔のいけにえ(原題: The Texas Chainsaw Massacre)』は、低予算ながらも圧倒的な暴力描写と不穏な空気感でホラー史に名を刻んだ作品であり、これまでにも複数回にわたりリブートや続編が製作されてきた。今回の動きは、その中でも最大規模の再構築になる可能性があり、ホラーファンを中心に今後の動向が注目される。

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