サイバーパンク系ホラーゲーム6選。近未来ディストピアに潜む“恐怖”を描いた注目タイトルまとめ

サイバーパンクとホラーは、一見別物に見えるかもしれない。しかし、監視社会、人体改造、AIの暴走……そういった近未来の設定が、じわじわとした不安や異常さを生むこともある。今回は、そんな“未来の怖さ”を描いたホラーゲームをご紹介。

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目次

『サイバーパンク』とはそもそも何か

サイバーパンク(cyberpunk)は、近未来のディストピアを舞台としたSFのサブジャンル。高度なテクノロジーが発展した未来を描く一方で、巨大企業の支配や監視社会、義体化といった社会問題や人間の矛盾にも焦点を当てている。

単なる技術の進歩だけでなく、社会の暗部や倫理の崩壊を浮き彫りにする点が一般的なSFと異なる特徴だ。こうした世界観はゲームにも大きな影響を与え、特にホラーゲームでは無機質な都市空間や制御不能なAIが生み出す不気味さが恐怖を増幅させる。

未来に潜む狂気や不安を感じさせるところが、サイバーパンク×ホラーゲームの魅力とも言える。

サイバーパンク系ホラーゲーム6選【2025年版】

「サイバーパンク」をテーマにしたホラーゲームは意外にも多い。その中でも特におすすめしたい厳選タイトルを紹介する。

『Observer: System Redux』

恐怖レベル:★★★★★

参考価格ダウンロード版:税込4,990円
パッケージ版:税込5,489円
メーカーBloober Team/Anshar Studios
対応プラットフォームPS5/PS4/Xbox Series X/S/PC(Steam/Epic Games)
発売日2020年11月10日

数々の受賞歴を誇る名作が次世代機向けにリマスター

『Observer: System Redux』は、2084年の荒廃したサイバーパンク世界を舞台に、他人の精神に潜入して事件を解決する一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム。プレイヤーは神経刑事ダニエル・ラザルスキとして、他者の記憶や感情にアクセスし、手がかりを収集していく。

本作は、2017年にリリースされた『Observer』のリマスター版であり、次世代機向けにグラフィックが強化され、新たなサブストーリーやゲームプレイ要素が追加されている。4K解像度やレイトレーシング、HDRライティングなどの技術により、よりリアルで没入感のある体験が可能となっている。

ゲーム内では、電磁気ビジョンと生体ビジョンを使い分けて捜査を進める。電磁気ビジョンは電子機器やインプラントに反応し、生体ビジョンは血液や組織の痕跡を検出する。これらのツールを駆使して、事件の真相に迫っていく。また、ルトガー・ハウアーが主人公ダニエルの声を担当しており、彼の最後の出演作としても知られている。

おすすめポイント
  • 緻密なサイバーパンク世界と記憶への侵入捜査
  • バリエーション豊かな謎解き
  • 次世代機向けのビジュアル強化と追加コンテンツ

『野狗子: Slitterhead』

恐怖レベル:★★★★☆

参考価格ダウンロード版:税込5,478円
パッケージ版:税込5,478円
メーカーBokeh Game Studio
対応プラットフォームPS5/PS4/Xbox Series X/S/PC(Steam/Epic Games)
発売日2024年11月8日

サイバーパンクな架空都市を舞台に、人間に擬態する怪物と戦うホラーアクションADV

『野狗子: Slitterhead』は、1990年代の架空都市「九龍」を舞台にしたホラーアクションアドベンチャーゲーム。プレイヤーは、記憶と肉体を失った存在「憑鬼(ひょうき)」となり、人間に擬態する怪物「野狗子(やくし)」の殲滅を目指す。

憑鬼は実体を持たず、街の人々に憑依することで行動する。特定の「稀少体」と呼ばれる人物に憑依することで、強力なスキルを発動できる。また、「血の力」を駆使したバトルが展開され、プレイヤーは危険な組織への潜入や追跡を行いながら、野狗子の痕跡を追っていく。

本作は、Bokeh Game Studioが開発を手掛け、ディレクターには『サイレントヒル』や『SIREN』を手掛けた外山圭一郎氏が名を連ねている。また、音楽は山岡晃氏が担当しており、独特の世界観を演出している。

おすすめポイント
  • 憑依を駆使した独自のバトルシステム
  • 稀少体の育成と組み合わせ次第で変わる戦闘スタイル
  • 香港のネオン街を思わせる「九龍」の街並み

『Stray(ストレイ)』

恐怖レベル:★☆☆☆☆

参考価格通常版:税込4,400円
スペシャルエディション:税込6,380円
メーカーBlueTwelve Studio
対応プラットフォームPS5/PS4/Nintendo Switch/PC(Steam)
発売日2023年11月22日

迷い猫が主人公の探索型アドベンチャーゲーム

『Stray』は、サイバーパンクな地下都市を舞台に、迷子の猫が元の世界への帰還を目指す三人称視点のアドベンチャーゲーム。プレイヤーは、都市の奥深くで目覚めた猫となり、ロボットたちが暮らす閉鎖空間を探索しながら、失われた記憶を持つドローン「B-12」と協力して地上への道を探す。

舞台となる地下都市「ウォールドシティ99」は、かつて人類が災厄から逃れるために築いたもので、現在は人間の姿はなく、代わりに「コンパニオン」と呼ばれるロボットたちが独自の社会を形成している。猫はその小さな体を活かして、狭い路地や高所を自在に移動し、環境と対話しながら進んでいく。B-12は、翻訳やハッキング、アイテムの管理などを通じて猫をサポートする。

都市内には、突然変異したバクテリア「Zurks」や警備ドローン「Sentinels」といった敵も存在し、プレイヤーはこれらを回避しながら進まなければならない。また、ゲーム内で収集できる「記憶」を通じて、B-12の過去や都市の成り立ちが明らかになっていく。本作のジャンルはホラーではないが、登場する敵がグロテスクであったり、為す術無くただひたすら敵から逃げるスリルがホラーそのものということで、今回ランクイン。

おすすめポイント
  • 猫が主人公のゲーム
  • 細部まで作り込まれたみ街並み
  • アドベンチャーゲームならではの探索要素

『Sense: A Cyberpunk Ghost Story(センス – 不吉な予感)』

恐怖レベル:★★★☆☆

参考価格PC版:税込2,050円
メーカーSuzaku
対応プラットフォームPS4/Xbox One/PS Vita/Nintendo Switch/PC(Steam/Epic Games)
発売日2020年8月25日

『クロックタワー』や『零』シリーズにインスパイアされた2.5Dホラーアドベンチャーゲーム

『Sense: A Cyberpunk Ghost Story(センス – 不吉な予感)』は、2083年のネオ香港を舞台にした2.5Dのホラーアドベンチャーゲーム。プレイヤーは、サイバネティックな眼を持つ女性、メイ・リン・マックとして、超常現象に巻き込まれた謎の解明に挑む。物語は、メイが恋人との待ち合わせのためにバーへ向かう途中、奇怪な出来事に遭遇するところから始まる。

本作は、サイバーパンクと広東地方の民間伝承を融合させた世界観が特徴で、ネオンが煌めく都市の裏側に潜む霊的な存在が描かれている。プレイヤーは、探索やアイテムの収集、NPCとの会話を通じて、事件の真相に迫っていく。ゲーム内では、幽霊との遭遇がプレイヤーの行動に影響を与え、緊張感のある進行が求められる。

『クロックタワー』や『零』シリーズから着想を得たゲームデザインは、ジャンプスケアに頼らず、じわじわと迫る恐怖を演出している。また、手描き風のビジュアルとサウンドデザインが、独特の雰囲気を醸し出している。プレイヤーは、メイの視点を通じて、現実と幻覚の境界が曖昧になる世界を探索し、過去と向き合うことになる。

おすすめポイント
  • 2083年のネオ香港が舞台
  • ジャンプスケアに頼らず雰囲気やストーリー性を重視
  • 隠し要素として「心霊写真」が登場

『Ghostwire: Tokyo』

恐怖レベル:★★★☆☆

参考価格ダウンロード版:税込8,778円
パッケージ版:税込5,600円
メーカーTango Gameworks
対応プラットフォームPS5/Xbox Series X/S/PC(Steam/Epic Games)
発売日2022年3月25日

サイバーパンクな東京を舞台に、妖怪や幽霊と闘うアクションADV

『Ghostwire: Tokyo』は、超常現象によって人々が消え去った東京を舞台にした一人称視点のアクションアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは、霊的存在「KK」に憑依された青年・アキトとして、謎の現象「ヴァニッシング」の真相を追い、街に現れた妖怪や幽霊に立ち向かう。

ゲーム内では、手印を模した「エーテルウィーヴィング」と呼ばれる技術を用いて、風・火・水といった元素の力を操り、敵の「コア」を露出させて撃破する戦闘が展開される。また、探索を通じて「トリの門」を浄化し、封鎖されたエリアを解放することで、東京の各所を巡ることが可能となる。

都市には、伝承に基づいた「ビジター」と呼ばれる敵が徘徊しており、プレイヤーはこれらの存在と戦いながら、失われた魂を救出し、サイドミッションを通じて街の秘密に迫っていく。さらに、無料アップデート「蜘蛛の糸」では、新たなエリアや敵、スキル、ローグライト形式のゲームモードが追加され、より多様なプレイが可能となった。

おすすめポイント
  • 東京の街並みに民間伝承を取り入れた独特の世界観
  • 手印を模した戦闘システム「エーテルウィーヴィング」
  • サイドミッションや謎解き要素が充実

今後発売予定のサイバーパンク系ホラーゲーム3選【2025年5月更新】

『Killing Floor 3』

恐怖レベル:★★★★☆

参考価格PC版:税込4,850円
メーカーTripwire Interactive
対応プラットフォームPS5/Xbox Series X/S/PC(Steam/Epic Games)
発売日2025年7月24日

ホラーFPSシリーズ待望の最新作、発売延期を経て遂に今夏リリース決定

『Killing Floor 3』は、2091年の荒廃した未来を舞台に、バイオエンジニアリングによって生み出されたZEDと呼ばれるクリーチャーの群れと戦う、協力型サバイバルホラーFPS。プレイヤーは反乱組織「Nightfall」のスペシャリストとして、最大6人のチームでZEDの波状攻撃に立ち向かう。

本作では、各スペシャリストが独自の武器やスキルを持ち、30段階の成長システムを通じて能力を強化できる。武器のカスタマイズも可能で、スコープやマガジン、ストックなどを組み合わせてプレイスタイルに合わせた装備も構築可能だ。

敵となるZEDは、壁や天井を移動する「Crawler」や、新たに登場する「The Impaler」など、多様な特性を持つ。これらの敵は、従来よりも少数ながらも強力。さらに、環境トラップやインタラクティブな要素が追加され、戦場での戦略性が増している。また本作は、PC、PS5、Xbox Series X/S間のクロスプレイにも対応しており、協力プレイもアツい。2025年7月24日のリリース予定。

おすすめポイント
  • クロスプレイに対応
  • Unreal Engine 5により強化されたグラフィック
  • 最大6人の協力プレイ

『RetroSpace』

恐怖レベル:★★★☆☆

参考価格未定
メーカーThe Wild Gentlemen
対応プラットフォームPC(Steam)
発売日未定

レトロフューチャー×ローポリのディスコパンクな世界観

『RetroSpace』は、1970年代のSF映画やゲームにインスパイアされたディスコパンクな世界観が特徴のアクションホラーFPS。プレイヤーは、ブラックホールに飲み込まれた宇宙ステーション「オーロラ5」を舞台に、ミュータントや奇怪な現象に立ち向かいながら生存を目指す。

本作は、ステルスとアクションの両方のプレイスタイルに対応しており、プレイヤーは静かに敵を避けることも、変異した能力を駆使して戦うことも可能だ。

ゲームプレイは、プレイヤーの選択によって進行が変化する「没入型シム」要素を取り入れており、再プレイ性が高い。また、環境内のオブジェクトや仕掛けを活用することも攻略のカギとなる。本作の詳しいリリース時期は明らかになっていないが、ゲーム内は日本語インターフェイスおよび日本語字幕にも対応する見込みだ。

おすすめポイント
  • ステルスを駆使して静かに進むもよし、果敢に攻め込むのもよし、自由自在なプレイスタイル
  • レトロフューチャー×ローポリが生む独特な世界観
  • 没入型シム要素でゲームプレイの幅が広い

『Samurai Unicorn』

恐怖レベル:★★★☆☆

参考価格未定
メーカーIts Got Stealth
対応プラットフォームPC(Steam)
発売日未定

侍の力を宿して敵に立ち向かえ。初代PS風ローポリアクションホラー

『Samurai Unicorn』は、初代PS時代を彷彿とさせるローポリゴングラフィックとサイバーパンクな世界観が融合した三人称視点のアクションホラーゲーム。舞台は、巨大企業「Goliath」が支配する未来都市「Sydney3」。主人公の若き女性刑事Kloは、寄生型のガントレット「Samurai Unicorn」によって、都市を蝕む「Dream Eaters」と呼ばれる存在に立ち向かう力を得る。

本作は、銃撃戦と近接攻撃を組み合わせた戦闘が特徴で、敵の部位に応じた反応や切断表現が取り入れられている。また、各エリアには強力なボスが待ち受けており、Kloは「Unicorn」の能力を駆使してこれらの敵を攻略していく。

探索要素も豊富で、プレイヤーは「Sydney3」の各所を巡りながら、住民との交流やサイドミッションを通じて都市の秘密に迫る。本作のリリース日は未定だが、現在Steamストアページにてウィッシュリストへの追加が可能となっている。ちなみに開発者によると、本作に登場するSamurai Unicornのビジュアルは、「仮面ライダーブラック」から着想を得ているとか。世代だからこそより一層リリースが待ち遠しい。

おすすめポイント
  • レトロスタイルのサイバーパンク世界
  • 敵は撃たれた部位によって攻撃方法が変化
  • ストーリーには、研究組織、警察、ストリートギャング、上流階級など、さまざまな派閥が登場
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