
Kazumi Game Studiosは6月2日、ステルス型サバイバルホラーゲーム『散歩 Walk』のSteamストアページを公開した。本作は、固定カメラ視点とPS1風のローポリグラフィックを組み合わせたビジュアルによって、現実と幻想の境界が曖昧な不穏な世界を描く。
物語の舞台は、どこか現実に似ているが明らかに異質な無人の街。プレイヤーは、異形の存在“怪異”に追われる少女を操作し、無事に家まで導くことを目指す。戦闘はなく、物陰に隠れたり逃げたりといったステルスが中心。神社や寺ではセーブが可能で、怪異の巣を浄化することで新たな道が出現することもあるという。

また本作は、プレイヤーが恐怖に慣れないようにと「死にゲー」的要素を排除。怪異に捕まっても同じ場所から続けることができるが、死を重ねるたびに世界は歪み始め、道の形や空気感、怪異の動きまで変化していく。失敗が続けば、少女の精神状態にも変化が生じるという。

マップは相互につながった探索型で、裏道やトンネル、崩れた神社など、さまざまな場所を歩いて進む。地域ごとに現れる怪異の行動パターンも異なり、追ってくるタイプやだますタイプなどが登場。一部の存在は味方になる可能性もある。

ちなみに本作は、散歩を日課にしているKazumi Game Studiosの実体験をもとに開発された。ある日、散歩中に通りすがった小学生が、自分(開発者)の体格を見て怯える様子を目にし、その姿から着想を得たという。

また制作中、散歩中に撮った覚えのない風景写真がフォルダに紛れていたことがあり、心霊現象のような体験もあったとされる。それが、自宅が墓地の隣にあることと関係しているのか、それとも本作の“呪い”なのかは不明だが、その写真の場所は実際にゲーム内のマップにもなっているとのこと。気になる人はチェックしてみてほしい。

『散歩 Walk』は、古典的なホラーゲームの形式に、日本の民話や儀式的モチーフを取り入れた意欲作だ。現時点で発売日は未定だが、今後の発表や支援プロジェクトの動向に注目が集まる。