1時間で遊べるホラーゲーム特集。短くてもしっかり怖い名作13選

プレイ時間が1時間前後のホラーゲームは、短いながらも強烈な恐怖を残す作品が多い。とりわけインディーシーンでは、限られた時間と空間の中で、観る者の想像力や不安を刺激するタイトルが続々と登場している。今回は、30分〜90分以内で完走可能な一人用ホラーゲームを中心に、13タイトルを厳選して紹介する。

1.『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』

チラズアートによる最新作。特殊なカメラで霊を撮影し、娘の魂を解放するために公園を探索する一人称視点のホラーゲーム。Unreal Engine 5を使用したリアルなグラフィックと、静寂の中でじわじわと迫る恐怖が特徴。プレイ時間は60〜90分程度で、エンディングは1つ。

2.『The Man in the Park』

わずか5分で終わる超短編ホラー。だが、その内容はプレイヤーの予想を裏切る結末を用意している。見た目は簡素だが、B級ホラー映画のようなテンポと、複数のエンディングが用意されている点で、短時間に満足感を与えてくれる。

3.『Fears to Fathom: Home Alone』

実在の事件に基づくようなリアリティで構成された短編シリーズ『Fears to Fathom』の第一話。留守番中の少年が経験する一夜の恐怖を描いており、ボイスメールやPCのやりとりなど現代的な演出が特徴。短時間ながらも“ありそうで怖い”感覚が際立っており、臨場感と緊張感を両立させている。

4.『Slide in the Woods』

子供の頃によく遊んだ公園のすべり台。しかし、何度も繰り返し滑るうちに、周囲の空気がどこかおかしくなっていく――。奇妙な構成と空間の変化で不安感を煽る一作で、最後には想像を超える展開が待っている。10〜15分ほどで終わるが、終盤の不気味さは強烈に記憶に残る。

5.『The Children of Clay』

考古学者として、ウラル山脈の遺跡から発掘された謎の粘土像を調査するポイント&クリック型の短編ホラーゲーム。実際のストップモーションアニメーションを用いたリアルな映像と、ハンガリー神話に着想を得た不気味な世界観が特徴。プレイ時間は約20〜30分。日本語にも対応しており、無料でプレイ可能。

6.『We Went Back』

月面ステーションに一人取り残されたプレイヤーが、何度も同じ空間を巡るうちに“何か”が変化していく。SF的な舞台設定とループ構造が融合した作品で、探索型パズルとしても楽しめる構成になっている。短時間ながらビジュアルの完成度は高く、1時間以内で終わるとは思えない密度を誇る。

7.『They Speak from the Abyss』

ダークファンタジー風の世界で、主人公が“奈落”の声に導かれながら進んでいくテキスト主体のホラーアドベンチャー。美しくも不気味なドット絵と、じわじわと正気を奪っていく会話構成が特徴的で、ビジュアルノベルとサイコホラーの中間に位置するような作品。30〜40分で読了可能。

8.『The Old Woman | 無言老婆』

16歳の高校生が開発した心理ホラーゲーム。大学進学のため田舎に引っ越した主人公が、通い始めた銭湯で不気味な出来事に巻き込まれる。一人称視点のウォーキングシミュレーターで、プレイ時間は20〜40分程度。2つのエンディングが用意されている。

9.『Start Survey?』

プレイヤーがPCの前に座り、ただ淡々と質問に答えていくだけ。しかし、画面の外と内が曖昧になっていくことで、“自分が見られている”感覚がじわじわと恐怖に変わっていく。メタ的な構成が特徴で、ホラーゲームの常識を逆手に取った作り。10分程度の短編だが、後味は重い。

10.『怪異無限迷宮』

和風の大迷宮を舞台にしたホラーウォーキングシミュレーター。プレイヤーは怪異を避けながら、三つに分かれた魂の欠片を集め、迷宮からの脱出を目指す。難易度は高めだが、無敵モードなどのお助け機能も実装されており、プレイ時間は40分〜1時間半程度。

11.『SEPTEMBER 1999』

プレイヤーは動かず、カメラ視点で部屋を見つめるだけ。ゲームの進行はリアルタイムで、刻々と映像が変化していく。極めて静かな構成だが、終盤に向かって異常が増していく演出は秀逸。実際のビデオテープのような画質も恐怖演出に一役買っている。総尺は約5分。

12.『The House Abandon』

80年代風のテキストアドベンチャーを模したホラー作品。プレイヤーは仮想のコマンドを入力し、家の中を探索するが、その過程で“ゲームと現実”の境界が少しずつ崩れていく。わずか30分程度で終わるが、斬新な構造と演出によりプレイヤーを深く引き込む。『Stories Untold』の序章としても知られている。

13.『The Boba Teashop(タピるお茶屋)』

夢だったティーショップを開業した女性が、仕事の合間に少しずつ現実の歪みに気づいていく。注文をこなしながら日常に潜む異常と向き合う構成で、1時間ほどのプレイ時間に収まるが、終盤の演出は記憶に残るものとなっている。

長時間遊ぶ必要はない。むしろ、短編ホラーゲームの方が“起承転結”が凝縮されており、強い印象を残すケースも多い。今回紹介した作品はいずれも、1時間以内という制限の中で、工夫を凝らした演出と構成でプレイヤーの感覚を刺激してくる。ちょっとした空き時間や夜の静かなひとときに、ぜひ試してみてほしい。