映画『サブスタンス』監督インタビュー映像解禁。デミ・ムーア演じるエリザベスのモデル明かす

5月16日公開予定のホラーSF映画『サブスタンス』について、本作の監督を務めたコラリー・ファルジャが、「その先」に描きたかったテーマについて語る特別インタビュー映像が公開された。

本作の主人公は、50歳を迎えた元人気女優のエリザベス(デミ・ムーア)。容姿の衰えによって仕事が減り、彼女は再生医療「サブスタンス」に手を出す。しかし、薬を注射した途端、エリザベスの上位互換体ともいえる“スー”(マーガレット・クアリー)が彼女の中から現れる。

スーは若さと美貌を武器に、エリザベスの経験をも活かしながら瞬く間にスターダムへと駆け上がっていく。ただし、彼女たちには「一週間ごとに入れ替わらなければならない」という絶対的なルールがあった。だが、スーは次第にこのルールを破り始める——。

公開されたインタビュー映像では、40歳を過ぎて『REVENGE』で映画監督デビューを果たしたファルジャが、自身の過去について振り返っている。「若さを失った私はもう価値がない」「映画界に自分の居場所はない」と感じたことが、本作を制作する動機となったという。

インタビューでは、『サブスタンス』を通じて描きたかったテーマや、デミ・ムーア演じるエリザベスのモデルとなった俳優についても言及している。

「なぜ、これほどまでに年を取ることへの不安が大きいのか?」——ファルジャは、「そこから自分を解放したかったし、もっと広い視野で考えたかった」「この不安の原因は何か?なぜ社会的規範が私たちを縛るのか?」と、過去に抱いた痛みや違和感と向き合いながら、本作を生み出した背景を語っている。

また、エリザベスのモデルとなったのは、アカデミー賞主演女優賞を2度受賞しながら、映画界を離れエアロビ番組で人気を博した俳優ジェーン・フォンダであることを明かした。

エリザベスが映画界から追いやられながらも新たな道を見つけたにもかかわらず、再びその居場所を失い、危険な再生医療「サブスタンス」に手を出すに至った理由についても、ファルジャなりの考察を交えて説明している。

そして本作では、再びキャリアの絶頂に立つデミ・ムーアが、美と若さへの執着を圧倒的な演技で表現。45年以上のキャリアを塗り替える代表作となった。本作にて完全復活を遂げたデミ・ムーアは、第97回アカデミー賞で主演女優賞を含む5部門にノミネートされ、さらに本年度の賞レースで主演女優賞を次々と受賞している。

一方、若さと美貌を武器にデミと対峙するのは、今最も注目される俳優の一人、マーガレット・クアリー。撮影現場について、ファルジャは「デミとマーガレットの間には自然な絆と、互いを引き寄せるエネルギーがあった」「その結果、予想外のことが起きた。まさに映画の魔法だ」と意味深な言葉で振り返っている。

今、ハリウッドが最も注目のコラリー・ファルジャが監督を務める『サブスタンス』は、5月16日全国ロードショー。

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