
カナダの大手ゲーム開発会社Behaviour Interactive Inc.は、アメリカで開催されたゲームイベント「PAX East 2025」において、非対称対戦型マルチプレイヤーホラーゲーム『Dead by Daylight』の9周年を記念する最新情報を発表した。
今回の発表では、人気ホラーゲーム『Five Nights at Freddy’s(FNaF)』とのコラボレーションや、『ウィッチャー』シリーズをテーマにした新コレクション、さらにはゲーム体験の向上を目的としたQoL(クオリティ・オブ・ライフ)改善策など、多岐にわたるコンテンツが紹介された。
特に注目を集めたのは、長年ファンからの要望が寄せられていた『FNaF』とのコラボレーションだ。このアニバーサリーチャプターでは、『FNaF』の象徴的キャラクターである「スプリングトラップ」がキラーとして登場する。さらに、Blumhouse制作の映画版『FNaF』でマシュー・リラード氏が演じた「イエローラビット」版スプリングトラップを再現したレジェンダリーコーディネイトも登場予定であり、リラード氏本人による新たな音声も収録されている。

また、「Freddy Fazbear’s Pizzeria」をフィーチャーした新マップも追加され、ファンにはたまらないイースターエッグや驚きの仕掛けが随所に散りばめられている。このチャプターの詳細は、5月28日に予定されている公式ライブ配信で明らかにされ、同日よりSteam限定でPTB(パブリックテストビルド)が開始される。正式リリースは6月18日に予定されており、Steam、PS5、PS4、Xbox One、Xbox Series X|S、Epic Games Store、Windows Store、Nintendo Switchでプレイ可能となる。

さらに、『ウィッチャー』シリーズとのコラボレーションも発表された。この「ウィッチャーコレクション」では、『ウィッチャー』の主人公「リヴィアのゲラルト」をはじめ、「イェネファー」「シリ」「トリス・メリゴールド」「エレディン」などのキャラクターをモチーフにしたコーディネイトが登場する。特に、ビットリオ・トスカーノ用の「ゲラルトのレジェンダリーコーディネイト」には、原作でゲラルトの声を担当したダグ・コックル氏による新録音声が使用され、特別なロビー画面アニメーションも追加される。このコレクションは、6月4日に発売予定だ。

また、アメリカのリアリティコンペティションテレビシリーズ『The Boulet Brothers’ Dragula』とのコラボレーションも発表された。このコレクションには、番組からインスピレーションを得たハントレス用の「冬の戦士」コーディネイトと、アーティスト用の「Boulet Brothers」コーディネイトが含まれており、7月9日に発売予定。
『Dead by Daylight』の開発チームは、2025年初頭から取り組んでいるQoL改善への活動についても言及した。この取り組みは、ゲーム体験の向上を目的としており、6月に終了する第1フェーズでは、ガンマ値の設定機能、エクスプロイト防止に向けたアップデート、アーカイブの全面的な改修などが実施された。
今後の数か月間では、カスタムマッチへの観戦者追加機能や、イベントマッチの待機中に通常のマッチがプレイできる新機能などが導入予定である。さらに、マップと「カギ」アイテムのバランス調整、MMR(マッチメイキングレート)の見直し、新たなチート対策、プレイ中のフェイスキャンプ、這いずり放置、トンネルの軽減策にも取り組んでいく。
最後に、シリーズ史上初となる試みとして、新チャプターの内容をすべてコミュニティの投票に基づいて制作することが発表された。このチャプターは2026年にリリース予定で、登場するキラーとサバイバーの外見、物語、ゲームプレイ要素のすべてがプレイヤーへのアンケートによって決定されるとのこと。
アンケートでは、幅広い選択肢の中から自分の好きなストーリーラインに投票することができ、各キャラクターデザインの方向性が固まるにつれて、新たな質問に答えていく仕様となる。また、デザインの方向性を途中で調整できるよう柔軟性を持たせるため、アンケートで一番に選ばれなかった要素も「敗者復活」できる流れが組み込まれている。この取り組みは、新チャプターの準備段階および制作段階を通して実施される。
『Dead by Daylight』は、これらの新たなコラボレーションや改善策を通じて、さらなる進化を遂げていく。10年目に向けて、霧の森はこれまで以上に濃く深くなり、エンティティの飢えはますます激しさを増していくことであろう。